※体験談の内容や派遣先大学は留学当時のものになります。
最新の情報については、各協定校のウェブサイトや交換留学募集要項等をご確認ください。

逆境を乗り越え身につけた精神力と語学力

サント・トマス大学(フィリピン)University of Santo Tomas

N.Yさん(渡航時 経営学部4年)2024年7月~2024年12月

 留学して得られたことは、精神力と英語力である。精神力の面では、置かれていた環境が大きく影響している。食事面や環境面で日本と比べてかなり劣っており辛いことが多かった。授業では私一人が外国人であり留学生という環境で、授業面では周りの現地学生と横一線でスタートした。慣れない環境と慣れない授業スタイル。しかしその中でも踏ん張りつづけたことが今に活きていると思う。
 生活中の反省点は、より英語を自学自習すべきだったということです。生活リズムがあまり定まらず最低限のみの努力であったように思う。 
 後輩へのアドバイスだが、メンタル面で強くどんな環境でも楽しめる人でなければ勧めない。治安も悪く、特に女性には勧めない。

語学・専門知識・人間力が育まれた留学体験

ベトナム国家大学ハノイ校経済経営大学(ベトナム)University of Economincs and Business Vietnam National University, Hanoi

O.Fさん(渡航時 経営学部3年)2024年8月~2025年1月

 留学で主に、次の3つのことを得られたと思う。
 一つ目は英語でものを理解し、考え、伝える力である。英語ネイティブではないベトナムであっても、授業は英語であるし、ベトナム語がわからない私にとって、英語というものは生きていく上で必要不可欠なものであった。そのため、授業の準備として英語のテキストを読まなければならない場合は、時間をかけて徹底的に読み込んだし、授業中に質問された時は自分の意見をなるべくわかりやすい英語でまとめて伝えるように努力した。また、常に英語に触れる環境になるように、自由時間も英語のYouTubeに触れていたり、英語の音楽、フィリピン人がやっていた英会話教室のようなものにも参加した。その結果として、英語への抵抗感は少なくなり、比較的流暢に喋れるようになったと思う。座学だけでなく、実際に英語を使う環境に身を置いてみることが大切だなと強く実感した。
 二つ目は経営学のグローバルスタンダードについての知識である。派遣先でマネジメントやマーケティングの基礎を中心とする4つの授業を履修した。横浜国立大学で履修したものと内容的には被るものもあったが、いい意味で復習にもなった。また、英語で学んでいるせいか、日本で日本語で学んでいた時よりも、世界のマネジメントに対するケーススタディや手法などがスラスラと頭に入ってくるように感じた。特にマネジメントにおける4つの機能である、Planning, Organizing, Influencing, Controlingについては口酸っぱく教授から教え込まれ、深く学ぶことができた。
 三つ目は一人で生きていく力である。ベトナムに着いた初日、周りに頼れる人がいない中で、どうにか一人で生活を整えなければいけなかった。ご飯を用意することはもちろん、どの授業をとり、どこに出かけ、どの人を信頼していくのかなど、全てのことを自分でやらなければいけなかったので、そう行った境遇を乗り越える力は着いたと思う。さらに、学期終わりにインドへ旅行に行ったのですが、ベトナムで鍛えられた一人で生き抜く力がさらに高まったように思う。少しでも油断すれば、誰かに悪事をはたらかれざるを得ない状況で、常にアンテナを張りながら生きていくことができるようになったのはかなり自分としては嬉しく思う。こういったマインドが、例えばインターン先のプロジェクトが難しい局面を迎えた時であっても、どうにか乗り越えられる道を探したり、諦めたくなった時でも、諦めずに継続し続けられたりするのではないかなと思っている。

多くの学びに満ちた留学生活

シドニー工科大学(オーストラリア)University of Technology, Sydney

H.Nさん(渡航時 経営学部3年)2025年2月~2025年7月

 留学をして得られたことは、多様性の尊重の考え方、語学力、文化や経営学的学習、精神力の4つです。
 多様性の尊重の考え方について、留学前と留学後で大きく変わりました。多様性の尊重の考え方について、以前は自分と違うカテゴリーの人を受け入れる、という考えでいましたが、カテゴライズの難しさや受入れるだけでなく他人を傷つけない主張を学びました。オーストラリアは多民族国家として有名ですが、いろいろな国の人がいる、という言葉だけで片付けられるものではなく、両親の出身地や自分の国籍、しゃべれる言語、今後の居住地の予定が全員違いました。また、日本人に対して、日本人なのに?や日本人だから、と思ってしまっている自分にも気づきました。そのため、多様性を尊重するとは、自分以外の人の考えや習慣を受け入れることであると学びました。また、日本ではどうなのか、あなたはどう思っているのか、と聞かれることが多く、相手を受け入れるだけでなく、自身を主張することも学びました。自分の意見や考えを主張することは、他人をないがしろにすることと同義ではなく、お互いに主張したうえで改善していくことや、最低限の相手への配慮を忘れないことを学びました。
 語学力に関しては、リスニングとスピーキングが向上したと感じております。授業中というより、生活の様々な場面の小さな会話や友人との会話がスキルの向上につながったと思っています。比較的社交的な方が多かったり、わからないことは聞くという文化が日本よりあると感じられるオーストラリアでは、店員さんと仲良くなることがあったり、隣の席の人と仲良くなることがあったりしました。多民族国家ということもあってか、ネイティブではない人に対してもとても寛容な印象があります。また、友人とは、英語でなんというべきか聞きながらも様々なことを話したことが思い出に残っています。簡単な中学英語だけでも話したいことは言えるので、そこから相手に教えてもらいつつ広げていくことが多かったです。
 文化や経営学についての学習も、調べて学ぶことよりも肌で感じて学ぶことの方が多かったと思います。文化については、アボリジニの文化を少し知っていましたが、現在どのような状況なのか、差別は本当になくなっているのか等、知らないことも多く、また知らないことを知らない状態でした。実際にアボリジニの方が多く生活している地域では、差別らしい差別はなくとも、アボリジニの方に襲われた事例があったりそれに対して過敏に注意を促す人がいたりと、隔たりは感じました。経営学に関しても、国際統合と現地適応、という理論は知っていましたが、実際の事例を集めることができ、理解が深まったと感じています。例えば、ZARAは世界最大のアパレル企業であり、国際統合が進んでいることで有名ですが、実際には現地の趣味嗜好や季節に合った製品と、国際的に統合された商品があることを学びました。値段に関してもオーストラリアドルから日本円に換算するより、日本円で販売されているもののほうが圧倒的に安いことから、人件費や土地代、経済格差等を感じました。
 精神面に関しては、圧倒的にタフになったと思います。前述のように、英語がネイティブのように話せなくても仲良くしてくれる人が多い印象ですが、注文時に明らかにイライラされたり、話に混ざれなかったり、ということもありました。また、トラブルが発生することも多く、そのたびに英語で対応することも大変でした。このようなことを自力で乗り越えてきたため、タフになったとともに、自信もついたと思います。
 反省点は語学学習と留学中も早くから積極的に行動することです。語学学習について、リスニングとスピーキングは向上しましたが、主に語彙力は足りないことを痛感するものの学習時間が足りないことが多かったです。また、留学に行った感想として、語学力に関して、留学は力試しの場であり、学習の場ではないと感じました。もちろん授業の内容に関して学ぶことも多ければ、語学力も向上しましたが、やはり力試しの場である印象が強いです。
 また、留学開始一か月ほどは、怖気づいている自分もいたため、サークルに参加できなかったり、シドニーから出なかったりと、もったいないことをしてしまったと感じています。最初からもっと活動的に過ごしていれば、友達ともっと多くの時間を過ごせたかもしれない、もっと多くの都市に行けたかもしれない、と少し後悔しています。
 総じて、学びも多くとってもとっても楽しい留学生活でした。が、事前の語学学習と早期から活発に動くことを強くお勧めします。

仲間との有意義な時間で磨かれた英語力

カリフォルニア州立大学サクラメント校(アメリカ合衆国)California State University, Sacramento

M.Tさん(渡航時 理工学府2年)2024年8月~2025年5月

 留学を通して、英語を話すことへの懸念は無くなった。野球部に所属し、非常に有意義な時間を過ごした。コミュニティに何か属することは非常に重要だと思う。
 野球部に所属していたため、ほぼ毎週試合があった。月曜日と水曜日に練習があり、練習後は友人とカフェテリアで夕食を取った。朝から授業がある曜日は授業に行き、ない曜日はジムに行っていた。空き時間を見つけて課題等を行い、夜はまたジムに出向いたり、友人のルームで時間を過ごしたりと、一人になる時間をなるべく無くした。
 留学前に予防接種等、向こうの大学で無料で受けられることもあるので、確認をしっかり取っておけば良かったと後悔している。それ以外は、非常に満足しており、とても充実した留学生活であった。

英語力の向上とともに気付いた語彙力の課題

ジョージア大学(アメリカ合衆国)University of Georgia

K.Aさん(渡航時 都市科学部3年)2024年8月~2025年6月

 留学を通して英語力が上がったことが得られたことが最大の収穫です。同じ留学生だけでなく、特に現地学生のルームメイトと毎日一緒に時間を過ごすうちに、留学前より自然な会話をできるようになり、今ではオンライン英会話の講師として働いています。
 留学中は、当たり前ではありますが、基本的に学校第一の生活を送っていました。朝公共のバス20分ほど乗ってキャンパスに行き、講義を受け、持参の昼食または友人とダイニングホールでランチを食べ、図書館で課題をやる、などしていました。金曜夜と日曜午後は友人と大学のジムでバレーボールをする習慣ができ、それを通して仲が深まり、友人の輪も広がりました。
 留学準備における反省点は、語彙不足です。生活とアカデミックな場面で使う語彙は全く異なり、特に課されるリーディングで知らない単語に出会ったり、エッセイでの表現に詰まったりと困ったことが多く、IELTSスコア取得前に習慣にしていた単語帳に限らず、もっと語彙を増やしておけばと後悔しました。

異文化理解とコミュニケーション力の向上

カーディフ大学(イギリス)Cardiff University

S.Yさん(渡航時 経営学部3年)2024年9月~2025年5月

 私は今回の留学を通じて、自分と異なる価値観を持つ人と良好な関係を構築する力を身につけることができた。日本にいる際も、外国人の方と関わる機会はあったが、日本に興味を持っている方々であることもあり、優しく接してくれたことが多かった。しかし、海外という環境に身を置くと、全員が私のことを対等に扱ってくれるわけではなく、時にはアジア人差別を受けることもあった。ただ、そんな環境においても、相手に自分という人間を理解してもらうとともに、自分も相手の価値観を理解しようとしなければ、生活を送ることはできない。そのため、この留学期間において、間違いなく色々なバックグラウンドを持つ人とコミュニケーションをとる方法であったり、異文化を理解する姿勢を身に付けたりすることができたと思う。そして、このような経験は、日本という国を離れ、外国人として異国の地で生活したからこそ得られたものであると思う。

 一方で、留学中に後悔したこともあるので以下ではそのことについて記述したい。

 一点目は、英語力である。IELTSのスコアを取得して以降、英語の勉強を続けていたが、今考えると不十分であったと思う。リスニングに関しては、試験のようなきれいな英語だけでなく、色々な英語に触れておくことをおすすめしたい。YouTubeや映画などを用いて、様々なアクセントやスラングに触れておくと、留学後友人の会話にスムーズに入っていけると思う。また、スピーキングに関しては、発音も大事だが、それよりも文法や語彙を意識して練習すると良いと思う。文法がしっかりしていないと、相手に自分の言いたいことが伝わらない可能性が高く、また語彙に関しては同じような単語を使ってしまうことになりかねない。そのため、IELTSなどを受験したときに使っていた単語帳を再度やってみたり、海外映画などで耳にした英単語を使って自分で文を作ってみたりすると、有意義な留学生活が送れると思う。

 二点目は、就職活動と留学生活の両立である。私は3年の秋学期から留学をし、3年の1月ごろから就職活動を始めた。実際に就活を始めると、ESの作成や面接練習、適性検査の対策などやることが多く、必然的に留学生活に支障をきたす部分が出てくる。特に日本との時差の関係から、夜中に面接をしたり、早朝の座談会に参加したりする場合が多く、日本にいる学生と比べて厳しい状況下での就活となる。留学先にいた日本人のうち、就活をしていた人と卒業を遅らせる人の割合は半々だったので、現実的に留学中に就活を行い、4年で卒業することは可能だと思う。ただ留学前に、卒業するための十分な単位取得をしておくこと、テストセンターでの適性検査の受験を済ませておくこと、夏のインターンシップに参加しておくことの3点ができていると、そこまで苦労することはないのではないかと思う。私の場合は、テストセンターでの適性検査の受験をしていなかったので、イギリスでテストセンターを探し、受けに行かざるを得なかった。そのため、留学に行く前に十分な情報収集を行っておくことを強く推奨する。

 最後にアドバイスとしては、後悔のない選択をしてほしいの一言に尽きる。社会人になって海外留学をしたいと思っても、実現させるのは難しいだろう。大学生のうちに、海外の留学に通って現地で生活することは、大変貴重な経験であり、今後の人生に大きな影響を与えると思う。もちろん、費用の面や就職活動との兼ね合いだったりと、ネガティブな面はあるかもしれないが、もし迷っている方がいれば、交換留学をすることを強くお勧めしたいと思う。

仲間と共に学び、支え合ったかけがえのない日々

エジンバラ大学(イギリス)Universityof Edinburgh

A.Kさん(渡航時 経営学部2年)2024年9月~2025年6月

 留学を通じて、周囲の人と学び合い、支え合うことの大切さを学んだ。現地の大学では、授業内容の理解に苦労する中、友人と共に疑問点を考え合い、知識を深めることができた。また、学業以外の面でも、世界中から集まった仲間たちと新しい土地で多くの体験を共有し、貴重な人間関係を築くことができた。母国ではない環境での生活は容易ではなかったが、その分、他者の存在のありがたさを実感する機会となった。
 平日は各曜日ごとに2教科の授業があった。朝食後は約2時間の予習を行い、その後授業を受けた。帰宅後、夕食を挟んで翌日の授業に向けた予習に取り組んだ。特に、少人数制で実施されるチュートリアルに向けては重点的に準備を行い、事前に課題や問題演習に取り組むなどして臨んだ。休日は、友人とカフェに出かけたり、バスに乗って日帰り旅行を楽しむこともあった。テスト期間中は土日も含めて勉強に集中していたが、それ以外の週末は自分の好きなことをして過ごすようにしていた。
 留学準備における反省点は、英語の「聞く・話す」といったコミュニケーション能力にもっと重点を置くべきであったという点である。これから留学を目指す後輩には、横浜国立大学に在籍する交換留学生などとの積極的な交流を通じ、英語でのコミュニケーションに慣れておくことを強く勧めたい。また、留学生活においては、前半に一人で過ごす時間が多くなってしまったことが反省点である。現地で友人をつくることは容易ではないが、サークル活動や大学主催のイベントに参加することで、人に会う機会を増やすといいと思う

自信と自立を育み、視野を広げた留学生活

イーストアングリア大学(イギリス)University of East Anglia

I.Sさん(渡航時 経営学部2年)2004年9月~2025年6月

 留学を通して、どこへ行っても、どこで暮らしても、生きていく力と自信がついたと思います。留学中は、周りに知っている人がゼロの状態で、また全く知らない土地で暮らすことになるため、コミュニティづくりやその土地で暮らすこと自体に慣れる必要があります。海外に行けば、もちろん自分が外国人の立場になり、また日本に比べて外国人がその土地にいること自体は当たり前のことであるので、自分が特別扱いされることはまったくありません。このような普通に暮らすために主体性が求めらる環境で過ごし、約1年間を終えることができたことで、主体性や自立心、ビビらない力などが身についたと感じます。
 また、様々なバックグラウンドをもった人たちと多くコミュニケーションをとる機会があり、経験や将来のことについての考えを聞いたことで、自分が持つ選択肢の広さという観点では視野が広がったと思います。フラットな人間関係がほとんどのため、そういったコミュニケーションはとりやすかったです。
 派遣先の大学が比較的田舎の地域だったということもあり、遊びの選択肢はあまり多くなかった分、人とのつながりを感じることが多く、またそのつながりもカジュアルで、人間関係での楽しさによる精神面で満たされた部分は大きなメリットだったと感じます。つながりがカジュアルである一方、帰国後もまた会おうと約束するような友人も作ることができました。
 加えて、しばらくは離れていたサッカーを、留学先のイギリスというサッカーが盛んな地域で体験できたことが非常に楽しかったです。最初はコミュニティに所属することを目的に入ったクラブも、生活の中心となるほどまで楽しむことができ、またネットワークも広がり、外国で自分の存在を認められるという体験ができたことは非常に貴重だったと感じます。
 海外旅行のしやすさも大きな魅力でした。イギリスからヨーロッパ圏なら様々な国に行きやすいため、実際に他の国え行き、自分の身で体験できたことは人生を通しても非常に大きな財産になったと感じます。
 一方、これまで長期間、他の国で英語だけで生きていくという経験がなかった分、英語力と向こうのコミュニケーションのスタイルでは非常に苦労しました。特に、英語力という面ではもっと準備できたところが大きかったと感じます。実際、もっとスムーズなコミュニケーションができれば、もっと楽しめただろうという場面には満足に楽しめたという場面よりも多かったです。
 また、目的をより達成するために、留学先でやりたいことを事前にもっと考えて、計画的に進めれればよかったという後悔があります。留学までにも、多くの準備が必要とされる分、余裕もあまりなかったり、どこか留学に行くこと自体が目的になってしまったりして、留学先での具体的な計画がなく、一方時間はたくさんあったため、時間を有効に使えなかったと感じる部分は非常に多かったです。
 アドバイスとして、留学前が非常に重要だと感じたため、準備を充実させるよう心掛けるべきだと思います。英語力については、いくら時間があってもきっと取りないと思うので、資格、試験を終えた後もその延長戦で継続していくことが一番良い方法だと思います。また、留学先でやりたいことを目的に沿って考えておくだけでも、留学の充実度を挙げてくれると思います。一気にすべてを終わらせようとすることは非常に大変だと思うので、毎日コツコツ進めたり、思いついたときに書き留めておいたりしておけば、留学先でも助けになると思います。
 正直な感想として、期待しているようなキラキラした留学は少ないと思います。ですが、その成果がゼロで終わることはないので、ポジティブな気持ちで留学準備を進めてほしいです。

決断の連続と心の余裕がもたらした自信

ベルン大学(スイス)University of Bern

N.Sさん(渡航時 経営学部3年)2024年9月~2025年6月

 良かった点は大きく分けて2つあります。1つ目は決断力がついたことです。まずは留学をしようと決意するところから始まり、どこの国にするか、どんなことを目標にするのかなどとにかく決断の連続でした。もともと自分は優柔不断な性格だったので、ここが一番変わったことかなと思います。また、とにかくいろいろな機会があれば何事もやってみようと決断することもかなり良い効果がありました。一度ジュネーブで現地で働く日本人の方々との交流会があったのですが、それに参加した際自分の将来の進路が明確に見えるような出会いがあり、あの時にその会に行く決断をしたことに本当に満足しています。
 2つ目は、自分の中に余裕ができたことです。10か月という短い期間でしたが、自分の中では学業も遊びもやり切ったという実感があり、その達成感は次に自信につながりました。また、ベルンという街自体が非常にのんびりとしていて、時がゆっくりすぎているように感じられ、ベルンの人たちも実際に他のスイス人と比べてゆったりとしたドイツ語を話すらしく、その点でも心が浄化されたような気がしています。あと、現地の学生たちは明確なキャリアプランを持っている人が多く、しかもそれぞれが独自のそれを持っていて、周りと比較しすぎたり、自分を見失いそうになったりするけどそんな必要はないんだなと思いました。
 
 しておけばよかったことはドイツ語の勉強です。同時期にベルンに行った日本人でドイツ語を日本で勉強してきた日本人がいて、シンプルにかっこよかったし、日本にいる外国人が日本語を話しているのを見るとうれしくなるように、現地のスイス人も彼女のドイツ語を聞いてすごくうれしそうだったからです。
 アドバイスとしては、留学期間中はすべてを忘れて楽しむことに集中するべきだと思います。留学中、私は同期が皆就活を行い、ベルンに来ていた同学年の日本人も就活と向き合っていましたが、私は一切それについて考えず現地での交流、楽しみを優先しました。自分の性格的にどちらも中途半端になってしまうと思ったのでそうしたのですが、今全く後悔をしていません。その時その時を是力で楽しむことが人生においても非常に大事だと思います。

異文化で暮らして気付いた日本の魅力

オスナブリュック大学(ドイツ)Osnabrück University

I.Rさん(渡航時 理工学部3年)2024年10月~2025年2月

 留学を通して得られたことはたくさんありますが、主に2つ書きたいと思います。
 一つ目は、様々な文化を知れたことです。ドイツで生活しているだけでも、スーパーに置いてあるものや日曜日が休みでゆっくり過ごすなど新しい文化を感じられましたが、ドイツには他のヨーロッパからのエラスムスの学生、韓国やインドなどのアジアからの学生、モロッコやシリアなどアフリカや中東からの学生など世界中から学生が集まっていました。そのため、授業や普段の会話の中でも文化の違いに気づくことが多かったです。特に、学期前のドイツ語講座で仲良くなった子や、学部はまったく違うのに友達の友達きっかけで仲良くなった子とそれぞれの国の料理を作り合ったことが印象に残っています。初めて見る調味料を使っていたり、日本食はやっぱりヘルシーだなと感じたり、クリスマスなどの特別な日に食べる物の違いを知ったりしました。また、日本にいるときはあまり考えてこなかった宗教や政治についても考えることが多くなったと思います。ご飯を食べているときや普段の会話の中で、日本の教育についてどう思う?とか、今の日本の政治はいいと思う?など聞かれたことがありました。政治や環境問題についてはニュースは見るけどどこか遠い話のような感じがしていましたが、現地でできた友達は知識があり自分の意見も持っていて、社会的な問題にもっと関心を持つべきだなと感じました。また、宗教についても、キリスト教やイスラム教の友達もいて、豚肉を使っていない料理が分かりやすくメニューに載っていたり、ラマダンは断食するだけでなく困っている人に親切にする期間でもあると知ったり、宗教的な発言に気を付けようと思ったりしました。異文化を知ると同時に、日本の素晴らしさについても改めて実感することができました。交通機関が本当に時間通りで、衛生意識が高くて、トイレはきれいで無料で、レストランでは水が無料で店員さんも親切なのは他のどの国を見てもないと思います。一方で、日本の短所についても改めて考えさせられました。ヨーロッパの国はお互いの交流が盛んで学校でも外国語をしっかり学ぶため、英語や他の言語を話せる人が本当に多かったです。韓国やインド、トルコの人なども流暢に英語を話していたし、日本に旅行に行った友達も日本では英語があまり通じなかったと言っていたので、日本の英語力の低さを改めて実感しました。
 二つ目は、自分自身を知ることができたことです。留学も初めてでしたが一人暮らしも初めてだったので不安もありましたが、意外と一人の時間も好きだということ、きれい好きだということなどに気づきました。また、留学前は積極的に話しかけて友達をたくさんつくろうと思っていましたが、私は仲良くなるには時間がかかることにも気づきました。あとで考えれば日本でもそうでしたが、私は特技だったり性格面だったり、自分にはないものを持っている人と仲良くなりやすく、でも仲良くなる前に違いを理解する時間が必要でした。現地で出会った人たちはバックグラウンドが異なる人たちだったので、よく話して知っていくうちにだんだん仲良くなれました。

 反省点やアドバイスについては、留学中ももっと英語を勉強するべきだったということです。留学前はオンライン英会話や英語の動画を見たりしていましたが、留学すれば英語は勝手に話せるようになると安易に考えてしまっていたので、留学中は家での勉強量が少なくなっていました。しかし、自動的に話せるようになるわけではなく、気づいて勉強し始めた時には留学期間の半分が終わっていました。もちろん友達と話しているときや授業で新しい表現を知ったりアウトプットしたりすることはとても大事ですが、家でも動画などで勉強することで、半年しかない留学をもっと大切にするべきだったなと思います。

芸術の都での価値ある文化的体験

パリ東大学クレテイユ校(フランス)Université Paris-Est Creteil

K.Aさん(渡航時 経済学部3年)2024年9月~2024年12月

 フランス語はできるだけ勉強しておくと良い。フランス人はかなり英語が喋れてしまうので、自分がある程度流暢でなければ、相手が英語に切り替えてきたり、自分でも妥協して英語でしゃべったりしてしまうと思う。英語はほかの留学生と練習すれば十分伸びると思うので、現地の学生やフランス人とはめげずになるべくフランス語でしゃべるのがよい(そうすればよかった)。もしフランス語がしゃべれなくてもすくなくとも会話をBonjourから始めないと対応してくれないこともある。フランス語実習・演習で学んだひとはおそらくリスニングの練習が不足しているはず。喋ったり、読んだりは無理なくできたが、聞き取ることができなかったので会話がなかなか成り立たなかった。
 留学中、様々な文化的体験ができた。オルセー、ルーブル、オランジュリーなど主要な美術館は軒並み無料。特にオルセーはクールベの「牡鹿の闘い」だけでも見る価値があると思う。パリの街を歩くと空間の利用が全く違うことにすぐ気が付くと思う。象徴的な価値しか持たないモニュメント、銅像があちらこちらにある。極めつけはエッフェル塔。無価値性が逆説的にパリのあらゆる価値を反映しているように思う。エッフェル塔に上ったらエッフェル塔が見れないと思って結局上らなかったが、帰国後現地で買ったロラン・バルトの「エッフェル塔」という評論を読んで後悔した。これと松浦寿輝「エッフェル塔試論」は留学前・中にぜひ読んでほしい。
 オリンピック直後、パラリンピック開催中に渡航したので各国の観光客を見たし、パリにはアルジェリア、モロッコを中心に様々な国からの移民がいて混とんとしているが、滞在のうちに言葉にできない街の力学、秩序を感じるようになった。
 火・水・木は授業があり、月金は隔週でどちらかに授業が入った。水曜のフランス語の授業は8時まであったが、その他は昼には終わったので残りは勉強するか、市内に出かけるかした。美術館はルーブル以外は平日であれば予約していなくてもすぐに入ることができた。月曜にはESNという学生団体(この名前の団体が複数あるのでいろいろ見てみるとよい)が夜にCafé des langueという留学生と現地学生の集まりをカフェで開いていたので気が向けばそこに向かった。フランス語もここでかなり練習できた。

留学を通して高まった言語学習への意欲

リエージュ州大学校(ベルギー)Haute Ecole de la Province de Liège

S.Yさん(渡航時 環境情報学府2年)2024年9月~2025年1月

 留学を通して、自分の当たり前は当たり前ではないことに多く気づかされました。僕は留学前は日本よりも海外への関心が非常に強かったですが、留学後の今は日本のことをもっと知りたいと思うようになりました。この留学中に留学先の大学の学生、先生だけでなく、旅行先でも様々な国の人と話しましたが、日本出身であることを話すと、皆口を揃えて「日本は素晴らしい国だ。いつか日本に行くのが夢だ。」と言ってくれました。日本が世界で高い評価を受けていることが非常に嬉しく誇らしいのと同時に、日本は自分が思っている以上にユニークで魅力あふれる国だと学びました。海外の方と交流する際に相手国に関する知識を持っていることは素晴らしいですが、それ以上に自国に関して知識を持っていることも大事だと思いました。日本についてまだまだ知らないことばかりなので、今後は海外の方に日本の魅力を説明できるように学びたいと思っています。
 また特に衝撃を受けたのは語学面に関してです。僕は日本国内ではどちらかと言われれば英語はできる側の人間だと思いますが、ヨーロッパの学生達は非常に流暢に英語を話します。僕たちと同様に彼らにとっても英語は第一言語ではないにも関わらず、その差を痛感しました。また、彼らにとっては英語を話せることはスタンダードで、英語に加えてスペイン語・フランス語・イタリア語・ドイツ語等の第三・四言語を話せる学生も多く、感心したと同時に英語でつまづいている自分の不甲斐なさも感じました。これは日本国内、またアメリカやイギリスのような英語圏ではなくヨーロッパだからこそ感じることができたことだと思っています。僕は将来世界で活躍できる人材になりたいので、英語だけで満足していたら他国の同世代のライバルに置いていかれると思いました。この留学を通して言語学習への意欲が非常に高まり、今後は英語だけでなくフランス語やスペイン語など新たな言語の習得に向けて勉強していきたいと思っています。
 英語に関しては、留学前にIELTSの勉強やYoutube・Netflix等を活用してリスニングの練習をしていました。留学を通して、スピーキング・・リスニング力の向上が自分自身でも感じられました。寮生活ではキッチンで毎日同じメンバーと顔を合わせるので、留学開始当初は聞き取りにくかった子の英語も留学終盤には聞き取れるようになっていました。友達からも留学開始当初に比べて英語が上達したと言ってもらえて非常に嬉しかったです。フランス語に関しては基礎知識を留学前に独学で勉強しました。留学終了時には、簡単な日常会話はできるようになりましたが、リスニングが難しく、一方的に意思を伝えることはできても、双方向の会話は難しいことが多かったです。今後もフランス語の勉強は続けていきたいです。留学前にもう少しフランス語の勉強をしておけばよかったかなと思います。
 留学後も留学先で仲良くなった友人とは連絡を取り続けており、またヨーロッパや日本で再会することを約束しています。貴重な経験をでき、世界各国にかけがえないのない友人ができました。

(グローバル推進課 留学交流係)